GROW UP MAGAZINE
経営財務
作成日: 2026.07.08
更新日: 2026.07.13
電子帳簿保存法とは?2026年時点で企業が確認すべきポイントと運用のコツ
数年前、経理担当者の間で大きな話題となった「電子帳簿保存法(電帳法)」。
制度開始当初は対応に追われた企業も多くありましたが、現在では日常業務の一部として定着しつつあります。
一方で、「法律に沿って正しく運用できているか」となると、企業によって差が出ているのも事実です。
特に電子取引データの保存はすべての事業者に関係するため、改めて運用状況を確認しておきたいところです。
今回は、電子帳簿保存法の基本と、実務上のポイントについて分かりやすく解説します。
電子帳簿保存法とは?
電子帳簿保存法とは、帳簿や請求書、領収書などを紙ではなく電子データで保存することを認める法律です。
企業のデジタル化を推進し、経理業務の効率化や保存スペースの削減を目的として整備されています。
保存方法は、大きく次の3つに分類されます。
電子帳簿等保存
会計ソフトなどで作成した帳簿や決算書を、そのまま電子データで保存する方法です。
スキャナ保存
紙で受け取った請求書や領収書をスキャンし、電子データとして保存する方法です。
電子取引データ保存
メールやクラウドサービスなど、最初から電子データで受け取った書類を電子のまま保存する方法です。
義務化された「電子取引データ保存」
現在、最も重要なのが電子取引データ保存です。
2024年以降は、電子で受け取った取引データを印刷して保存するだけでは認められません。
電子データは電子データのまま保存することが義務となっています。
対象となるものには、例えば次のような書類があります。
メールで受け取った請求書や見積書(PDF・Excelなど)
クラウド請求書サービスからダウンロードした請求書
ECサイトの注文書や納品書
電子契約サービスの契約書
紙に印刷して保管するだけでは要件を満たさないため、注意が必要です。
保存時に必要な2つの要件
電子データを保存する際には、「真実性」と「可視性」の2つの要件を満たす必要があります。
真実性の確保
データが改ざんされていないことを証明できる仕組みが必要です。
例えば、
タイムスタンプの付与
訂正・削除履歴が残るシステムの利用
事務処理規程の整備
などの方法があります。
可視性の確保
必要なデータをすぐに確認できる状態で保存することも求められます。
具体的には、
日付
金額
取引先
などで検索できることが基本となります。
また、税務調査などの際には速やかに画面表示や印刷ができる状態でなければなりません。
保存期間は原則7年間(条件によっては10年間)です。
適切に保存しない場合のリスク
電子帳簿保存法への対応が不十分な場合には、税務上のリスクが生じる可能性があります。
例えば、
青色申告承認の取消し
加算税などの税務上のペナルティ
帳簿の信頼性が認められず申告内容を否認される
などです。
「知らなかった」「印刷して保管していた」という理由だけでは済まされないケースもあります。
数年運用して感じる実務上の課題
制度開始から数年が経過し、多くの企業で電子保存は定着してきました。
検索や共有がしやすくなったことは、大きなメリットです。
一方で、実務では新たな課題も感じます。
以前は紙の帳簿と領収書を並べて確認すれば気付けた入力漏れや重複も、現在は確認するシステムが増えています。
例えば、
会計ソフト
経費精算システム
請求書システム
クラウドストレージ
インターネットバンキング
など、複数のシステムを横断して確認する必要があります。
保存自体は効率化された一方で、
データを探す
入力漏れを防ぐ
全体を確認する
といった業務は、以前より複雑になったと感じる企業も少なくありません。
紙に戻る必要はありませんが、「保存の仕組み」と同時に「確認の仕組み」を整備することが、これからますます重要になります。
電帳法対応は経営改善にもつながる
電子帳簿保存法は「法律だから対応するもの」と考えられがちです。
しかし、適切に運用すると経営面でも多くのメリットがあります。
例えば、
帳簿と証憑の整合性が高まる
経理業務の属人化を防げる
担当者が変わっても業務を引き継ぎやすくなる
数字の信頼性が向上する
税務調査への対応がスムーズになる
などです。
制度対応をきっかけに、経理業務全体を見直す企業も増えています。
今から確認しておきたい3つのポイント
1.電子取引を洗い出す
まずは、自社で電子データとして受け取っている請求書や領収書がどの程度あるのか確認しましょう。
2.保存ルールを統一する
保存場所や担当者がバラバラでは、必要なデータを探すことができません。
誰が、どこに、どのようなルールで保存するのかを決めておくことが重要です。
3.月次で保存状況を確認する
月次決算とあわせて、
「電子データが正しく保存されているか」
をチェックする仕組みを作ることで、保存漏れを防ぐことができます。
まとめ
電子帳簿保存法は、帳簿や証憑を電子データで保存するための法律です。
現在では、電子取引データの電子保存が義務化されており、紙に印刷して保管するだけでは対応したことにはなりません。
また、保存するだけでなく、改ざん防止や検索性などの要件も満たす必要があります。
制度開始から数年が経過した今だからこそ、自社の運用状況を改めて見直す良いタイミングです。
電子帳簿保存法への対応は、単なる法令遵守ではなく、経理業務の効率化や数字の信頼性向上にもつながります。
ぜひこの機会に、自社の保存ルールや運用体制を確認してみてはいかがでしょうか。
制度開始当初は対応に追われた企業も多くありましたが、現在では日常業務の一部として定着しつつあります。
一方で、「法律に沿って正しく運用できているか」となると、企業によって差が出ているのも事実です。
特に電子取引データの保存はすべての事業者に関係するため、改めて運用状況を確認しておきたいところです。
今回は、電子帳簿保存法の基本と、実務上のポイントについて分かりやすく解説します。
電子帳簿保存法とは?
電子帳簿保存法とは、帳簿や請求書、領収書などを紙ではなく電子データで保存することを認める法律です。
企業のデジタル化を推進し、経理業務の効率化や保存スペースの削減を目的として整備されています。
保存方法は、大きく次の3つに分類されます。
電子帳簿等保存
会計ソフトなどで作成した帳簿や決算書を、そのまま電子データで保存する方法です。
スキャナ保存
紙で受け取った請求書や領収書をスキャンし、電子データとして保存する方法です。
電子取引データ保存
メールやクラウドサービスなど、最初から電子データで受け取った書類を電子のまま保存する方法です。
義務化された「電子取引データ保存」
現在、最も重要なのが電子取引データ保存です。
2024年以降は、電子で受け取った取引データを印刷して保存するだけでは認められません。
電子データは電子データのまま保存することが義務となっています。
対象となるものには、例えば次のような書類があります。
メールで受け取った請求書や見積書(PDF・Excelなど)
クラウド請求書サービスからダウンロードした請求書
ECサイトの注文書や納品書
電子契約サービスの契約書
紙に印刷して保管するだけでは要件を満たさないため、注意が必要です。
保存時に必要な2つの要件
電子データを保存する際には、「真実性」と「可視性」の2つの要件を満たす必要があります。
真実性の確保
データが改ざんされていないことを証明できる仕組みが必要です。
例えば、
タイムスタンプの付与
訂正・削除履歴が残るシステムの利用
事務処理規程の整備
などの方法があります。
可視性の確保
必要なデータをすぐに確認できる状態で保存することも求められます。
具体的には、
日付
金額
取引先
などで検索できることが基本となります。
また、税務調査などの際には速やかに画面表示や印刷ができる状態でなければなりません。
保存期間は原則7年間(条件によっては10年間)です。
適切に保存しない場合のリスク
電子帳簿保存法への対応が不十分な場合には、税務上のリスクが生じる可能性があります。
例えば、
青色申告承認の取消し
加算税などの税務上のペナルティ
帳簿の信頼性が認められず申告内容を否認される
などです。
「知らなかった」「印刷して保管していた」という理由だけでは済まされないケースもあります。
数年運用して感じる実務上の課題
制度開始から数年が経過し、多くの企業で電子保存は定着してきました。
検索や共有がしやすくなったことは、大きなメリットです。
一方で、実務では新たな課題も感じます。
以前は紙の帳簿と領収書を並べて確認すれば気付けた入力漏れや重複も、現在は確認するシステムが増えています。
例えば、
会計ソフト
経費精算システム
請求書システム
クラウドストレージ
インターネットバンキング
など、複数のシステムを横断して確認する必要があります。
保存自体は効率化された一方で、
データを探す
入力漏れを防ぐ
全体を確認する
といった業務は、以前より複雑になったと感じる企業も少なくありません。
紙に戻る必要はありませんが、「保存の仕組み」と同時に「確認の仕組み」を整備することが、これからますます重要になります。
電帳法対応は経営改善にもつながる
電子帳簿保存法は「法律だから対応するもの」と考えられがちです。
しかし、適切に運用すると経営面でも多くのメリットがあります。
例えば、
帳簿と証憑の整合性が高まる
経理業務の属人化を防げる
担当者が変わっても業務を引き継ぎやすくなる
数字の信頼性が向上する
税務調査への対応がスムーズになる
などです。
制度対応をきっかけに、経理業務全体を見直す企業も増えています。
今から確認しておきたい3つのポイント
1.電子取引を洗い出す
まずは、自社で電子データとして受け取っている請求書や領収書がどの程度あるのか確認しましょう。
2.保存ルールを統一する
保存場所や担当者がバラバラでは、必要なデータを探すことができません。
誰が、どこに、どのようなルールで保存するのかを決めておくことが重要です。
3.月次で保存状況を確認する
月次決算とあわせて、
「電子データが正しく保存されているか」
をチェックする仕組みを作ることで、保存漏れを防ぐことができます。
まとめ
電子帳簿保存法は、帳簿や証憑を電子データで保存するための法律です。
現在では、電子取引データの電子保存が義務化されており、紙に印刷して保管するだけでは対応したことにはなりません。
また、保存するだけでなく、改ざん防止や検索性などの要件も満たす必要があります。
制度開始から数年が経過した今だからこそ、自社の運用状況を改めて見直す良いタイミングです。
電子帳簿保存法への対応は、単なる法令遵守ではなく、経理業務の効率化や数字の信頼性向上にもつながります。
ぜひこの機会に、自社の保存ルールや運用体制を確認してみてはいかがでしょうか。