「【令和7年度 税制改正大綱】先端設備導入による固定資産税特例の見直しについて」

政府が令和6年12月27日に閣議決定した「令和7年度 税制改正大綱」のうち、償却資産税(土地及び家屋以外の事業用資産に対する固定資産税)に関する重要なポイントをご紹介いたします。固定資産税の特例措置が2年延長され、適用条件が変わりますので、中小企業の皆さまは要チェックです。

1. 概要
中小企業者が「先端設備等導入計画」の認定を受け、一定の要件を満たす場合、固定資産税の課税標準の特例を受けられます。今回の税制改正では以下のように見直しが行われました。

適用要件として、雇用者給与等支給額の引き上げが必須に
これまでは上乗せ措置として設定されていた要件が必須化され、賃上げに取り組む企業を対象とする形となります。

減免割合が最大3/4に引き上げ
賃上げ率を3%以上とする方針を計画に位置付けた場合、従来の最大2/3からさらに拡充され、固定資産税が最大で3/4減額されます。

2. 適用時期
2025(令和7)年4月1日から2027(令和9)年3月31日まで
上記期間に事業の用に供した対象資産に適用されます。
この特例措置は2年間の延長となり、市区町村から認定を受けた先端設備等導入計画に基づき、要件を満たす機械等を導入した場合に固定資産税の負担が軽減されます。
表明する賃上げ率に応じて、最大1/4に税負担が軽減される可能性があります。

3. 影響・対応策
適用対象企業が限定される可能性
雇用者給与等支給額の引き上げ(具体的には3%以上の賃上げ)が必須要件となったため、積極的に人件費の改善に取り組む企業にメリットが大きい制度となります。
適用を検討する場合
先端設備等導入計画において、給与等支給額の引き上げ方針を明確化し、その上で設備投資を行う必要があります。計画認定や必要な手続きについては、市区町村や税理士・会計士等の専門家と十分に相談・確認しましょう。

▼まとめ
令和7年度の税制改正では、先端設備導入による固定資産税特例の適用期限が2年延長されるだけでなく、賃上げ要件を満たすことで減免割合が最大3/4に拡充されることが大きなポイントです。
中小企業の皆さまにとっては設備投資を進めつつ、従業員給与の引き上げを検討する良い機会となるでしょう。具体的な要件や計画認定の流れなどの詳細は、専門家や行政機関にご確認ください。

今後も税制改正に関する最新情報を随時お届けいたしますので、どうぞお見逃しなく。ご不明点やご質問がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

今後ともよろしくお願いいたします。
(本記事は令和7年度税制改正大綱に基づき作成しています。最終的な運用や手続きについては、最新の公的情報や専門家へのご確認をお願いいたします。)