GROW UP MAGAZINE
DIARY
作成日: 2025.01.29
更新日: 2025.01.29
【今こそ押さえておきたい!2024年税制改正で変わるiDeCo・退職金の受け取りルール】
今回は、2024年に決定された令和7年度の与党税制改正大綱による、個人型確定拠出年金(iDeCo)をめぐる制度変更について解説します。大きなポイントは、加入年齢や拠出限度額の引き上げとともに、「5年ルール」が「10年ルール」へ変更される点です。SNS上では「改悪」との声もあり、なぜそのような反応が出ているのか、どのような影響があるのか、わかりやすくまとめました。
1.iDeCoの制度改正の概要
1-1.掛金拠出限度額の引き上げ
企業年金のない会社員: 上限が月額2万3000円 → 6万2000円 に大幅アップ
企業年金のある会社員や公務員: 全体の拠出限度額(企業年金+企業型DC+iDeCo)が5万5000円 → 6万2000円 に。これまでiDeCo独自で「月2万円まで」などの壁がありましたが、今後は“穴埋め型”となり、空き枠をiDeCoで使えるようになります。
自営業者(第1号被保険者): 国民年金基金との合計が6万8000円 → 7万5000円 に上昇
掛金を増やせば、その分、掛金全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されるメリットが拡大します。
1-2.iDeCoの加入年齢拡大
現行: 会社員・公務員は65歳未満まで、自営業者や専業主婦(夫)などは60歳未満まで
改正後: いずれも「70歳未満」まで拠出が可能
ただし、iDeCoの老齢給付金や老齢基礎年金をまだ受給していない場合などの条件を満たす必要があります。
多様な働き方や「定年延長」「再雇用制度」が広がるなか、70歳近くまで就労する人にとっては、老後資金づくりをさらに継続しやすくなる改正と言えるでしょう。
2.「5年ルール」から「10年ルール」に――SNSで“改悪”と話題の理由
2-1.従来の「5年ルール」
退職金とiDeCo・企業型DCの一時金は、合わせて**「退職所得控除」**を使うことができますが、先に受け取った一時金から5年以上あければ、それぞれ別々に退職所得控除を適用できる仕組みがありました。
例)60歳時にiDeCoを一時金で受け取り→65歳に会社の退職金を受け取る
iDeCo側は加入期間分の退職所得控除
退職金側は勤続年数分の退職所得控除
両方の枠を最大限に使えるため、大きな節税効果があった
2-2.改正で「10年ルール」へ
2026年1月1日以降は、「5年」 → 「10年」 空けないと別々の退職所得控除をフル活用できなくなります。
60歳時にiDeCoの一時金を受け取るなら、70歳まで退職金を受け取りを延ばさないとフル控除は難しい
実質的に、この条件を満たせる人はかなり限られてしまう
結果として、これまで可能だった**「60歳でiDeCo、65歳で退職金」**という節税パターンが使えなくなるため、“改悪”との不満が出ているのです。
3.ルール変更で気を付けるポイント
掛金を増やすメリットは大きい
iDeCoは掛金が全額所得控除、運用益が非課税になるなど、拠出時・運用時の税優遇があります。今回の限度額拡大により、さらに多くの控除が期待できます。
一時金の受け取り戦略が変わる
今回の「10年ルール」導入により、退職金との受け取りタイミングを計画的に見直す必要があります。
10年しっかり空けるのはハードルが高い
受け取りを分割にするなど、税率を下げる工夫も検討する価値あり
退職金が手厚い人はNISAとの比較も重要
企業年金が充実している、退職金一時金が多い場合、iDeCoを増やすよりNISAを活用した方がトータルで税メリットを得られる可能性も考えられます。
4.「国は勝手に制度を変えないでほしい」という声
公的年金の不足を補うiDeCoは、国としても「自助努力で老後資金を貯めましょう」と推進してきたはずです。しかし、今回の「5年ルール」→「10年ルール」変更によって、受給タイミングを計画していた人が想定外の負担増を抱える可能性が出てきました。
こうした改定は、事前に国民の意見を十分に取り入れずに決まるケースが少なくありません。また、NISAも同様に税優遇が大きい制度ですが、「将来的に改悪されるリスクもゼロではないのでは」という不安がSNSなどでくすぶっています。
国が後押ししている制度だからこそ、コロコロとルールを変えては、せっかく長期的視点で資産形成をしてきた個人への影響が大きくなります。国民一人ひとりの老後資金づくりは、何十年というスパンで考えるもの。安易なルール改定には慎重な議論が必要ではないでしょうか。
5.まとめ:上手に制度を使いながらリスク分散を
iDeCoの拠出限度額アップや加入年齢拡大は、多くの人にとって朗報です。
一方で、「10年ルール」への変更などは、受取時の税負担が増える可能性もあり、個人の老後設計に影響が出ます。
今後、NISAなど他の制度との組み合わせや、退職金の受給時期の再考がますます重要になります。
人生100年時代と言われる昨今、資産形成は長期戦です。どんな改定があっても慌てず、自身のライフプランやリタイア時期を再確認したうえで、制度を上手に使いこなしていきましょう。今後も最新情報をキャッチアップしながら、柔軟に備えることが大切です。
1.iDeCoの制度改正の概要
1-1.掛金拠出限度額の引き上げ
企業年金のない会社員: 上限が月額2万3000円 → 6万2000円 に大幅アップ
企業年金のある会社員や公務員: 全体の拠出限度額(企業年金+企業型DC+iDeCo)が5万5000円 → 6万2000円 に。これまでiDeCo独自で「月2万円まで」などの壁がありましたが、今後は“穴埋め型”となり、空き枠をiDeCoで使えるようになります。
自営業者(第1号被保険者): 国民年金基金との合計が6万8000円 → 7万5000円 に上昇
掛金を増やせば、その分、掛金全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されるメリットが拡大します。
1-2.iDeCoの加入年齢拡大
現行: 会社員・公務員は65歳未満まで、自営業者や専業主婦(夫)などは60歳未満まで
改正後: いずれも「70歳未満」まで拠出が可能
ただし、iDeCoの老齢給付金や老齢基礎年金をまだ受給していない場合などの条件を満たす必要があります。
多様な働き方や「定年延長」「再雇用制度」が広がるなか、70歳近くまで就労する人にとっては、老後資金づくりをさらに継続しやすくなる改正と言えるでしょう。
2.「5年ルール」から「10年ルール」に――SNSで“改悪”と話題の理由
2-1.従来の「5年ルール」
退職金とiDeCo・企業型DCの一時金は、合わせて**「退職所得控除」**を使うことができますが、先に受け取った一時金から5年以上あければ、それぞれ別々に退職所得控除を適用できる仕組みがありました。
例)60歳時にiDeCoを一時金で受け取り→65歳に会社の退職金を受け取る
iDeCo側は加入期間分の退職所得控除
退職金側は勤続年数分の退職所得控除
両方の枠を最大限に使えるため、大きな節税効果があった
2-2.改正で「10年ルール」へ
2026年1月1日以降は、「5年」 → 「10年」 空けないと別々の退職所得控除をフル活用できなくなります。
60歳時にiDeCoの一時金を受け取るなら、70歳まで退職金を受け取りを延ばさないとフル控除は難しい
実質的に、この条件を満たせる人はかなり限られてしまう
結果として、これまで可能だった**「60歳でiDeCo、65歳で退職金」**という節税パターンが使えなくなるため、“改悪”との不満が出ているのです。
3.ルール変更で気を付けるポイント
掛金を増やすメリットは大きい
iDeCoは掛金が全額所得控除、運用益が非課税になるなど、拠出時・運用時の税優遇があります。今回の限度額拡大により、さらに多くの控除が期待できます。
一時金の受け取り戦略が変わる
今回の「10年ルール」導入により、退職金との受け取りタイミングを計画的に見直す必要があります。
10年しっかり空けるのはハードルが高い
受け取りを分割にするなど、税率を下げる工夫も検討する価値あり
退職金が手厚い人はNISAとの比較も重要
企業年金が充実している、退職金一時金が多い場合、iDeCoを増やすよりNISAを活用した方がトータルで税メリットを得られる可能性も考えられます。
4.「国は勝手に制度を変えないでほしい」という声
公的年金の不足を補うiDeCoは、国としても「自助努力で老後資金を貯めましょう」と推進してきたはずです。しかし、今回の「5年ルール」→「10年ルール」変更によって、受給タイミングを計画していた人が想定外の負担増を抱える可能性が出てきました。
こうした改定は、事前に国民の意見を十分に取り入れずに決まるケースが少なくありません。また、NISAも同様に税優遇が大きい制度ですが、「将来的に改悪されるリスクもゼロではないのでは」という不安がSNSなどでくすぶっています。
国が後押ししている制度だからこそ、コロコロとルールを変えては、せっかく長期的視点で資産形成をしてきた個人への影響が大きくなります。国民一人ひとりの老後資金づくりは、何十年というスパンで考えるもの。安易なルール改定には慎重な議論が必要ではないでしょうか。
5.まとめ:上手に制度を使いながらリスク分散を
iDeCoの拠出限度額アップや加入年齢拡大は、多くの人にとって朗報です。
一方で、「10年ルール」への変更などは、受取時の税負担が増える可能性もあり、個人の老後設計に影響が出ます。
今後、NISAなど他の制度との組み合わせや、退職金の受給時期の再考がますます重要になります。
人生100年時代と言われる昨今、資産形成は長期戦です。どんな改定があっても慌てず、自身のライフプランやリタイア時期を再確認したうえで、制度を上手に使いこなしていきましょう。今後も最新情報をキャッチアップしながら、柔軟に備えることが大切です。