「【新着情報】政府が全国の金融機関へ「金融円滑化・事業者支援」の徹底を要請(2025/11/27)」

2025年11月27日、政府(総理大臣・財務大臣・厚労大臣・農水大臣・経産大臣)は、全国の金融機関に対し、事業者支援の徹底を強く求める要請文を公表しました。

物価高、人手不足、米国の関税措置など、多くの企業が厳しい経営環境に置かれる中、特に年末・年度末の資金繰り対策を最優先で実施することが強調されています。

1. 資金繰り支援の徹底(最重要項目)
政府は、企業規模を問わず、丁寧かつ親身な資金繰り対応を継続するよう求めています。

● 主な要請ポイント
・決算悪化や条件変更の有無だけで融資を機械的に判断しない
・補助金支給までのつなぎ資金、賃上げ・生産性向上投資への融資も柔軟に対応

以下の制度の積極活用
・協調支援型特別保証
・経営力強化保証
・新設予定「モニタリング保証」
・政策公庫「セーフティネット貸付(米国関税対策)」の金利引下げ

2. 地域金融力強化プランへの対応
金融庁は年内に「地域金融力強化プラン」を策定予定です。
地域金融機関に対し、地域企業の成長を支える体制整備を求めています。

3. 個別企業に合わせた事業者支援の強化
金融機関は課題先送りではなく、一歩先を見据えた支援を実施するよう指示されています。

● 要求される支援内容
・中小企業活性化協議会、よろず支援拠点、事業承継センター等との連携
・メイン・非メイン、保証付き・プロパーに関係なく伴走支援を徹底

● 特に重要とされる分野
・事業再生(ガイドラインの実効性強化予定)
・再チャレンジ支援(相談件数は過去最大)
・M&A・事業承継(ガイドライン改訂済)
・賃上げ・成長投資(成長加速化補助金などの制度活用)

4. 経営者保証に依存しない融資の促進
既存契約を含め、保証の必要性の説明・記録を徹底し、「経営者保証非提供制度」の積極活用が求められています。
今後は監督指針の改正も予定されています。

5. 個人向けローン(住宅ローン等)への丁寧な対応
事業者向けだけでなく、個人の住宅ローン等についても、返済猶予や条件変更を迅速かつ柔軟に行うよう求められています。

6. そのほか政策課題への対応
● 災害対応
・「自然災害ガイドライン」の活用
・特別貸付・復興支援ファンド等の活用
・平時からのBCP整備の促進

● 2026年1月施行の改正下請法
・手形払い禁止
・満期の一括決済・電子債権も原則NG
・サプライチェーン全体で支払手段を適正化
・サイト短縮に伴う資金繰り相談には丁寧に対応すること

【総括】政府が金融機関に求める姿勢
今回の要請では、以下の姿勢が明確に示されています。
・年末・年度末の資金ショートを絶対に起こさないこと
・形式・機械的な融資姿勢からの脱却
・事業再生・事業承継・賃上げなど前向きな取り組みの積極支援
・経営者保証への過度な依存からの脱却
・地域金融力を強化し、企業の成長を後押しする体制づくり

金融機関に対して、単なる資金供給ではなく、伴走支援と地域経済の支え手としての役割を果たすことが強く求められています。