GROW UP MAGAZINE
経営財務コンサルティング F-Pro
作成日: 2025.07.16
更新日: 2025.11.28
【2026年1月施行】下請法改正で取引ルールが大きく変わる!
こんにちは、グロウアップパートナーズの浮島です。
いつもメルマガをご覧いただきありがとうございます。
2025年5月16日、国会で「下請法等の改正法」が成立し、5月23日に公布されました。そして 2026年1月1日より施行 されます。
今回の改正は、名称変更にとどまらず、手形払いの全面禁止、価格協議の義務化、対象事業者の拡大 など、実務に大きな影響を与える重要な内容となっています。
企業にとっては“待ったなし”の対応が求められますので、ポイントを整理して解説します。
■ なぜ下請法が改正されるのか?
原材料費・人件費・エネルギーコストが急激に上昇する中、多くの中小受託事業者が価格転嫁できずに苦しんでいます。
こうした状況を改善し、「対等な取引関係」と「公正な価格転嫁の実現」 を目的に、今回の法改正が行われました。
■ 改正のポイント(重要部分を分かりやすく解説)
(1)法律名・用語が変更されます
旧用語から以下に変更されます。
・下請法 → 中小受託取引適正化法
・親事業者 → 委託事業者
・下請事業者 → 中小受託事業者
今後、契約書・社内規程・発注マニュアルなども新名称対応が必要です。
(2)手形払いが全面禁止に
紙の手形だけでなく、以下も実質禁止となります。
・電子記録債権(でんさい)
・ファクタリングなど、支払期日に満額受け取れない方法
今後は 現金払い・銀行振込(即時入金) 等へ切替が必須となります。
(3)価格協議に応じない行為が“違反”に
原材料費・人件費が上昇した際に、「値上げの相談に応じない」「理由を説明せずに価格を据え置く」「一方的に価格を決定する」これらが 新たな禁止行為 になります。
(4)対象事業者が“従業員数基準”でも判断される
従来は「発注側の資本金」で判断していましたが、今回から以下の基準が追加されます。
・従業員数300人以下(製造等)
・従業員数100人以下(役務提供)
これにより、これまで“対象外”だった多くの企業が新たに規制対象となります。
(5)“運送委託”も新たに対象取引へ
物流・運送業務の委託が「特定運送委託」として規制対象になります。
荷主企業は特に要注意です。
(6)監視体制が強化される
指導権限を持つ機関が増えます。
・公正取引委員会
・中小企業庁長官
・業種ごとの主務大臣(新規)
違反リスクはこれまで以上に高まります。
■ 委託事業者(親事業者)が今すぐすべき対応
1. 取引先の総点検(従業員数の確認)
従業員数基準の追加で、対象取引が急増します。
特に以下の取引は要チェックです。
・運送業務の委託
・型・治具の製造委託
・物流業務の一部委託
2. 手形払いの全面廃止へ向けた準備
・資金繰りの再設計
・経理フローの見直し
・支払条件変更の交渉
3. 契約書・社内規程・マニュアルの改定
特に名称・用語の変更が必須です。
・下請法 → 中小受託取引適正化法
・親事業者 → 委託事業者
・下請事業者 → 中小受託事業者
4. 社員教育・社内周知の徹底
営業・調達・経理など、現場対応が重要な部門には必ず研修が必要です。
■ スケジュール(2025年後半〜施行直前)
2025年後半〜12月
・取引先の従業員数・属性を確認
・手形払い → 即時入金方式への移行準備
・契約書・規程の用語を新法へ書き換え
2025年末〜2026年1月(施行直前)
・社内研修の実施
・全体の対応状況を最終確認
■ 最後に
今回の改正は、「名称が変わっただけ」の単純なものではありません。
企業の支払実務・取引慣行・契約体系に直接影響する、大規模な改革 です。
対応が遅れるほど、取引先との関係悪化、行政指導・勧告、信用低下、追加費用の発生などのリスクが高まります。
自社の取引が対象となるかどうか、早めの確認と準備を進めていきましょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もぜひご期待ください。
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2025年5月16日、国会で「下請法等の改正法」が成立し、5月23日に公布されました。そして 2026年1月1日より施行 されます。
今回の改正は、名称変更にとどまらず、手形払いの全面禁止、価格協議の義務化、対象事業者の拡大 など、実務に大きな影響を与える重要な内容となっています。
企業にとっては“待ったなし”の対応が求められますので、ポイントを整理して解説します。
■ なぜ下請法が改正されるのか?
原材料費・人件費・エネルギーコストが急激に上昇する中、多くの中小受託事業者が価格転嫁できずに苦しんでいます。
こうした状況を改善し、「対等な取引関係」と「公正な価格転嫁の実現」 を目的に、今回の法改正が行われました。
■ 改正のポイント(重要部分を分かりやすく解説)
(1)法律名・用語が変更されます
旧用語から以下に変更されます。
・下請法 → 中小受託取引適正化法
・親事業者 → 委託事業者
・下請事業者 → 中小受託事業者
今後、契約書・社内規程・発注マニュアルなども新名称対応が必要です。
(2)手形払いが全面禁止に
紙の手形だけでなく、以下も実質禁止となります。
・電子記録債権(でんさい)
・ファクタリングなど、支払期日に満額受け取れない方法
今後は 現金払い・銀行振込(即時入金) 等へ切替が必須となります。
(3)価格協議に応じない行為が“違反”に
原材料費・人件費が上昇した際に、「値上げの相談に応じない」「理由を説明せずに価格を据え置く」「一方的に価格を決定する」これらが 新たな禁止行為 になります。
(4)対象事業者が“従業員数基準”でも判断される
従来は「発注側の資本金」で判断していましたが、今回から以下の基準が追加されます。
・従業員数300人以下(製造等)
・従業員数100人以下(役務提供)
これにより、これまで“対象外”だった多くの企業が新たに規制対象となります。
(5)“運送委託”も新たに対象取引へ
物流・運送業務の委託が「特定運送委託」として規制対象になります。
荷主企業は特に要注意です。
(6)監視体制が強化される
指導権限を持つ機関が増えます。
・公正取引委員会
・中小企業庁長官
・業種ごとの主務大臣(新規)
違反リスクはこれまで以上に高まります。
■ 委託事業者(親事業者)が今すぐすべき対応
1. 取引先の総点検(従業員数の確認)
従業員数基準の追加で、対象取引が急増します。
特に以下の取引は要チェックです。
・運送業務の委託
・型・治具の製造委託
・物流業務の一部委託
2. 手形払いの全面廃止へ向けた準備
・資金繰りの再設計
・経理フローの見直し
・支払条件変更の交渉
3. 契約書・社内規程・マニュアルの改定
特に名称・用語の変更が必須です。
・下請法 → 中小受託取引適正化法
・親事業者 → 委託事業者
・下請事業者 → 中小受託事業者
4. 社員教育・社内周知の徹底
営業・調達・経理など、現場対応が重要な部門には必ず研修が必要です。
■ スケジュール(2025年後半〜施行直前)
2025年後半〜12月
・取引先の従業員数・属性を確認
・手形払い → 即時入金方式への移行準備
・契約書・規程の用語を新法へ書き換え
2025年末〜2026年1月(施行直前)
・社内研修の実施
・全体の対応状況を最終確認
■ 最後に
今回の改正は、「名称が変わっただけ」の単純なものではありません。
企業の支払実務・取引慣行・契約体系に直接影響する、大規模な改革 です。
対応が遅れるほど、取引先との関係悪化、行政指導・勧告、信用低下、追加費用の発生などのリスクが高まります。
自社の取引が対象となるかどうか、早めの確認と準備を進めていきましょう。
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