GROW UP MAGAZINE
補助金
作成日: 2025.11.16
更新日: 2025.11.29
「ものづくり補助金」と「省力化投資補助金」の違いについて解説!
こんにちは、グロウアップパートナーズの浮島です。
ご覧いただきありがとうございます。
最近、多くの経営者の方から、「ものづくり補助金と省力化投資補助金(一般型)、どちらを使うべきか?」というご相談をいただきます。
この2つはいずれも 国が設備投資を支援する制度 ですが、
・目的
・要件
・補助率
・採択率
がそれぞれ異なります。
違いを理解せずに申請してしまうと、「せっかく時間をかけたのに不採択だった…」という結果になりかねません。
今回は、それぞれの特徴と “どう使い分けるべきか” を整理してお伝えします。
■ ものづくり補助金は「新しいことへの挑戦」を応援
「ものづくり補助金」は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」 といいます。
◎ 制度の目的
・新製品・新サービスの開発
・生産プロセスの高付加価値化
・中小企業の競争力強化
など、“新しい価値の創出” に向けた投資 を支援する制度です。
◎ 典型的なケース
・新技術を活用した試作品の開発
・新製品の専用生産ラインの導入
・これまでにないサービスを提供するための設備・システム導入
つまり、審査では 「革新性」「独自性」「市場性」 が重視されます。
「新事業への挑戦」に向いているのが、ものづくり補助金です。
■ 省力化投資補助金は「今すぐ生産性を上げたい企業」向け
一方の「省力化投資補助金(中小企業省力化投資補助金・一般型)」は、人手不足の解消や生産性向上を目的とした設備導入 を支援する制度です。
◎ 制度の目的
・人手不足への対応
・現場の省人化・自動化
・労働生産性の向上
・AI・ロボット・ICTシステムなどを導入し、「どれだけ現場が楽になるか」「どれだけムダが減るか」 が評価のポイントになります。
◎ 典型的なケース
・ロボットパレタイザーの導入による出荷工程の自動化
・自動倉庫やAGVによる物流の省人化
・AI・クラウドシステムによる受発注・生産管理の効率化 など
新しさよりも「即効性のある生産性向上」 を狙う企業に非常に向いている補助金です。
■ 補助率・上限額の違いに注意!
同じ設備投資であっても、どの補助金を使うかで「戻ってくる金額」は大きく変わります。
▼ ものづくり補助金
補助率
・中小企業:1/2
・小規模事業者・再生事業者:2/3
・補助上限額(従業員規模による)
5人以下:最大 750万円
6~20人:最大 1,000万円
21~50人:最大 1,500万円
51人以上:最大 2,500万円
従業員数が多い企業ほど、大きな設備投資に使いやすい設計になっています。
▼ 省力化投資補助金(一般型)
補助率
・中小企業:1/2(※1,500万円を超える部分は1/3)
・小規模事業者・再生事業者:2/3(※1,500万円超部分は1/3)
・補助上限額(企業規模による)
5人以下:最大 750万円 or 1,000万円
6~20人:最大 1,500万円 or 2,000万円
21~50人:最大 3,000万円 or 4,000万円
最大では 1億円 まで
少人数の企業にとっては 高補助率で有利 ですが、1,500万円を超える大規模投資では補助率が下がるため、結果的にものづくり補助金の方が補助額が大きくなる ケースもあります。
したがって、自社の従業員数、投資総額のイメージを踏まえたうえで、どちらの制度が「トータルで得か」を試算することが重要 です。
■ 採択率は“今のところ”省力化投資補助金が優勢
現時点の採択率はおおよそ、
ものづくり補助金:30%台
省力化投資補助金:60%台
となっており、省力化投資補助金の方が通りやすい状況 です。
ただし、新制度は徐々に認知度が高まり、応募殺到 → 採択率低下、というパターンもよくあります。
「今が比較的狙い目」 という感覚で見ておくとよいでしょう。
■ 賃上げ要件にも違いがあります
最近の補助金は、「採択されたら終わり」ではなく、採択後に賃上げを約束する ことが条件になっているものがほとんどです。
ここを軽く見ると、後から返還リスクにつながる ため要注意です。
ざっくりいうと、
ものづくり補助金
給与支給総額:役員と従業員を分けて判定
一人当たり給与:役員・従業員別々で判定
省力化投資補助金
給与支給総額:役員と従業員を 合算で判定
一人当たり給与:従業員のみ対象
省力化投資補助金の方が、実務的にも判定がシンプルで、運用リスクも低め の設計になっています。
■ 実は「両方」を使えるケースもある!
よくある質問が、「ものづくりと省力化、どっちかしか使えないんですよね?」というものですが、
目的が違えば「両方」使えるケースもあります。
例:新規事業の新製品開発 → ものづくり補助金
既存工場の省人化ライン導入 → 省力化投資補助金
別プロジェクトとして計画すれば、同じ企業でも年間を通して 複数の補助金チャンスを持つことが可能 です。
■ 税制優遇と組み合わせると“さらにお得”
補助金に加えて、「中小企業経営強化税制」などの税制優遇 を併用すると効果は倍増します。
ざっくりイメージ
2,000万円の機械導入
補助金で 1,000万円 戻る
残り 1,000万円 を即時償却 → 数百万円規模の節税効果
補助金 + 税制優遇 のセット活用で、キャッシュアウトを大幅に抑えながら投資を進めることが可能です。
■ まとめ:制度の違いを理解して「戦略的に選ぶ」
最後に、ざっくりと整理すると——
新しい事業・製品・サービスへのチャレンジ
→ ものづくり補助金
人手不足や現場の生産性向上・省人化
→ 省力化投資補助金
そして、どちらの補助金も 事前申請が必須 です。
設備購入後の申請は一切認められません。
「設備を入れた後で、補助金があったと知った…」というのがいちばんもったいないパターンです。
自社の現状と将来構想に照らして、どの補助金が合うのか、いつ申請するのがベストか、税制とあわせてどう設計するかを一緒に考えていきましょう。
気になる点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回も、皆さまの経営に役立つ情報をお届けしていきますのでお見逃しなく。
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最近、多くの経営者の方から、「ものづくり補助金と省力化投資補助金(一般型)、どちらを使うべきか?」というご相談をいただきます。
この2つはいずれも 国が設備投資を支援する制度 ですが、
・目的
・要件
・補助率
・採択率
がそれぞれ異なります。
違いを理解せずに申請してしまうと、「せっかく時間をかけたのに不採択だった…」という結果になりかねません。
今回は、それぞれの特徴と “どう使い分けるべきか” を整理してお伝えします。
■ ものづくり補助金は「新しいことへの挑戦」を応援
「ものづくり補助金」は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」 といいます。
◎ 制度の目的
・新製品・新サービスの開発
・生産プロセスの高付加価値化
・中小企業の競争力強化
など、“新しい価値の創出” に向けた投資 を支援する制度です。
◎ 典型的なケース
・新技術を活用した試作品の開発
・新製品の専用生産ラインの導入
・これまでにないサービスを提供するための設備・システム導入
つまり、審査では 「革新性」「独自性」「市場性」 が重視されます。
「新事業への挑戦」に向いているのが、ものづくり補助金です。
■ 省力化投資補助金は「今すぐ生産性を上げたい企業」向け
一方の「省力化投資補助金(中小企業省力化投資補助金・一般型)」は、人手不足の解消や生産性向上を目的とした設備導入 を支援する制度です。
◎ 制度の目的
・人手不足への対応
・現場の省人化・自動化
・労働生産性の向上
・AI・ロボット・ICTシステムなどを導入し、「どれだけ現場が楽になるか」「どれだけムダが減るか」 が評価のポイントになります。
◎ 典型的なケース
・ロボットパレタイザーの導入による出荷工程の自動化
・自動倉庫やAGVによる物流の省人化
・AI・クラウドシステムによる受発注・生産管理の効率化 など
新しさよりも「即効性のある生産性向上」 を狙う企業に非常に向いている補助金です。
■ 補助率・上限額の違いに注意!
同じ設備投資であっても、どの補助金を使うかで「戻ってくる金額」は大きく変わります。
▼ ものづくり補助金
補助率
・中小企業:1/2
・小規模事業者・再生事業者:2/3
・補助上限額(従業員規模による)
5人以下:最大 750万円
6~20人:最大 1,000万円
21~50人:最大 1,500万円
51人以上:最大 2,500万円
従業員数が多い企業ほど、大きな設備投資に使いやすい設計になっています。
▼ 省力化投資補助金(一般型)
補助率
・中小企業:1/2(※1,500万円を超える部分は1/3)
・小規模事業者・再生事業者:2/3(※1,500万円超部分は1/3)
・補助上限額(企業規模による)
5人以下:最大 750万円 or 1,000万円
6~20人:最大 1,500万円 or 2,000万円
21~50人:最大 3,000万円 or 4,000万円
最大では 1億円 まで
少人数の企業にとっては 高補助率で有利 ですが、1,500万円を超える大規模投資では補助率が下がるため、結果的にものづくり補助金の方が補助額が大きくなる ケースもあります。
したがって、自社の従業員数、投資総額のイメージを踏まえたうえで、どちらの制度が「トータルで得か」を試算することが重要 です。
■ 採択率は“今のところ”省力化投資補助金が優勢
現時点の採択率はおおよそ、
ものづくり補助金:30%台
省力化投資補助金:60%台
となっており、省力化投資補助金の方が通りやすい状況 です。
ただし、新制度は徐々に認知度が高まり、応募殺到 → 採択率低下、というパターンもよくあります。
「今が比較的狙い目」 という感覚で見ておくとよいでしょう。
■ 賃上げ要件にも違いがあります
最近の補助金は、「採択されたら終わり」ではなく、採択後に賃上げを約束する ことが条件になっているものがほとんどです。
ここを軽く見ると、後から返還リスクにつながる ため要注意です。
ざっくりいうと、
ものづくり補助金
給与支給総額:役員と従業員を分けて判定
一人当たり給与:役員・従業員別々で判定
省力化投資補助金
給与支給総額:役員と従業員を 合算で判定
一人当たり給与:従業員のみ対象
省力化投資補助金の方が、実務的にも判定がシンプルで、運用リスクも低め の設計になっています。
■ 実は「両方」を使えるケースもある!
よくある質問が、「ものづくりと省力化、どっちかしか使えないんですよね?」というものですが、
目的が違えば「両方」使えるケースもあります。
例:新規事業の新製品開発 → ものづくり補助金
既存工場の省人化ライン導入 → 省力化投資補助金
別プロジェクトとして計画すれば、同じ企業でも年間を通して 複数の補助金チャンスを持つことが可能 です。
■ 税制優遇と組み合わせると“さらにお得”
補助金に加えて、「中小企業経営強化税制」などの税制優遇 を併用すると効果は倍増します。
ざっくりイメージ
2,000万円の機械導入
補助金で 1,000万円 戻る
残り 1,000万円 を即時償却 → 数百万円規模の節税効果
補助金 + 税制優遇 のセット活用で、キャッシュアウトを大幅に抑えながら投資を進めることが可能です。
■ まとめ:制度の違いを理解して「戦略的に選ぶ」
最後に、ざっくりと整理すると——
新しい事業・製品・サービスへのチャレンジ
→ ものづくり補助金
人手不足や現場の生産性向上・省人化
→ 省力化投資補助金
そして、どちらの補助金も 事前申請が必須 です。
設備購入後の申請は一切認められません。
「設備を入れた後で、補助金があったと知った…」というのがいちばんもったいないパターンです。
自社の現状と将来構想に照らして、どの補助金が合うのか、いつ申請するのがベストか、税制とあわせてどう設計するかを一緒に考えていきましょう。
気になる点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回も、皆さまの経営に役立つ情報をお届けしていきますのでお見逃しなく。
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