「食事支給に係る所得税非課税限度額の見直しについて」

2025年12月19日に公表された「令和8年度 与党税制改正大綱」において、
企業が従業員に支給する食事代補助に関する所得税の非課税限度額が引き上げられる見込みであることが明記されました。

本制度は、一定の要件を満たす食事支給について、給与課税を行わない特例制度です。

◆改正の概要(予定)
現行:月額 3,500円
改正後:月額 7,500円

約40年ぶりの見直しとなり、物価上昇や外食価格の高騰を踏まえた制度改正とされています。

◆制度活用にあたっての主な要件
①従業員が食事代の半額以上を負担していること
②現金支給ではなく、食事の現物支給や食事券等、用途が明確な方法であること

これらの要件を満たさない場合、非課税とはならず給与課税の対象となるため、運用には注意が必要です。

◆企業にとってのポイント
本改正により、給与水準を直接引き上げることなく、従業員の実質的な可処分所得を支援する福利厚生施策の選択肢が広がります。
一方で、制度設計や運用を誤ると課税リスクが生じるため、導入を検討される場合は、税理士等の専門家と相談のうえ進めることが重要です。