GROW UP MAGAZINE
お知らせ
作成日: 2025.12.26
更新日: 2026.02.02
令和8年度税制改正大綱で示された「年収の壁178万円」を整理解説
令和8年度税制改正大綱において、いわゆる「年収の壁」が178万円へ引き上げられる方針が正式に示されました。
報道では依然として「103万円の壁」という表現が多く見られますが、実務上の前提はすでに大きく変化しています。本記事では、制度改正の流れと実務上の注意点を整理します。
年収の壁はすでに3段階で引き上げられている
今回の178万円を正しく理解するには、これまでの改正経緯を押さえる必要があります。
① 103万円(~2024年)
基礎控除48万円、給与所得控除55万円の合計が103万円で、これを超えると所得税が課税されていました。
② 160万円(2025年)
令和7年度税制改正により、物価高への対応として控除額が見直され、特例措置(37万円)が新設されたことで、課税最低限は160万円まで引き上げられました。
今回の税制改正大綱でいう「現行制度」とは、この160万円を指します。
③ 178万円(2026年~)
令和8年度税制改正大綱では、この160万円をベースにさらなる引き上げが示され、所得税の課税最低限は178万円となります。
178万円となる理由(18万円の内訳)
160万円から178万円への引き上げ(18万円)には、次の2つの要因があります。
① 物価上昇を反映した引き上げ(+8万円)
直近2年間の消費者物価上昇率(6.0%)を踏まえ、基礎控除・給与所得控除の本則がそれぞれ4万円引き上げられ、課税最低限は168万円相当となります。
② 政策的な上乗せ(+10万円)
三党合意に基づく政策判断として、基礎控除特例の拡充(37万円→42万円)および給与所得控除の特例(5万円)が追加されます。
※この上乗せは令和8年・9年の時限措置です。
中間層まで広がる減税効果
今回の改正では、控除額の増加だけでなく対象者が大幅に拡大します。
基礎控除特例の最大額は、これまで年収200万円程度以下が対象でしたが、改正後は年収665万円相当まで適用されます。
その結果、パート・アルバイト層に限らず、一般的な給与所得者層も減税の恩恵を受ける仕組みとなります。
実務上の適用時期と注意点
2025年分の年末調整:160万円基準
2026年分の年末調整:178万円基準
なお、2026年中の月次源泉徴収については、システム対応を考慮し、従来基準のまま実施し、年末調整で精算される予定です。
また、所得税の壁が引き上げられても、社会保険の「130万円の壁」は引き続き存在します。
税負担が軽減されても社会保険料の負担により手取りが減少するケースがあるため、配偶者控除・扶養控除との関係も含め、世帯全体での検討が重要となります。
まとめ
「年収の壁178万円」は、単なる数字の変更ではなく、働き方や人件費設計にも影響を与える重要な改正です。
最新制度を正しく理解したうえで、実務対応を進めることが求められます。
報道では依然として「103万円の壁」という表現が多く見られますが、実務上の前提はすでに大きく変化しています。本記事では、制度改正の流れと実務上の注意点を整理します。
年収の壁はすでに3段階で引き上げられている
今回の178万円を正しく理解するには、これまでの改正経緯を押さえる必要があります。
① 103万円(~2024年)
基礎控除48万円、給与所得控除55万円の合計が103万円で、これを超えると所得税が課税されていました。
② 160万円(2025年)
令和7年度税制改正により、物価高への対応として控除額が見直され、特例措置(37万円)が新設されたことで、課税最低限は160万円まで引き上げられました。
今回の税制改正大綱でいう「現行制度」とは、この160万円を指します。
③ 178万円(2026年~)
令和8年度税制改正大綱では、この160万円をベースにさらなる引き上げが示され、所得税の課税最低限は178万円となります。
178万円となる理由(18万円の内訳)
160万円から178万円への引き上げ(18万円)には、次の2つの要因があります。
① 物価上昇を反映した引き上げ(+8万円)
直近2年間の消費者物価上昇率(6.0%)を踏まえ、基礎控除・給与所得控除の本則がそれぞれ4万円引き上げられ、課税最低限は168万円相当となります。
② 政策的な上乗せ(+10万円)
三党合意に基づく政策判断として、基礎控除特例の拡充(37万円→42万円)および給与所得控除の特例(5万円)が追加されます。
※この上乗せは令和8年・9年の時限措置です。
中間層まで広がる減税効果
今回の改正では、控除額の増加だけでなく対象者が大幅に拡大します。
基礎控除特例の最大額は、これまで年収200万円程度以下が対象でしたが、改正後は年収665万円相当まで適用されます。
その結果、パート・アルバイト層に限らず、一般的な給与所得者層も減税の恩恵を受ける仕組みとなります。
実務上の適用時期と注意点
2025年分の年末調整:160万円基準
2026年分の年末調整:178万円基準
なお、2026年中の月次源泉徴収については、システム対応を考慮し、従来基準のまま実施し、年末調整で精算される予定です。
また、所得税の壁が引き上げられても、社会保険の「130万円の壁」は引き続き存在します。
税負担が軽減されても社会保険料の負担により手取りが減少するケースがあるため、配偶者控除・扶養控除との関係も含め、世帯全体での検討が重要となります。
まとめ
「年収の壁178万円」は、単なる数字の変更ではなく、働き方や人件費設計にも影響を与える重要な改正です。
最新制度を正しく理解したうえで、実務対応を進めることが求められます。