「小規模事業者持続化補助金〈第20回〉の変更点を解説 賃金引上げ特例・経費区分・審査基準が大幅見直し」

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補助金・助成金
作成日: 2026.06.04 更新日: 2026.06.18

小規模事業者持続化補助金〈第20回〉の変更点を解説 賃金引上げ特例・経費区分・審査基準が大幅見直し

2026年5月27日、小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回の公募要領が公開されました。

今回の公募では、第19回までの制度と比較して、賃金引上げ特例の判定方法や補助対象経費のルール、審査の考え方などに大きな変更が加えられています。

特に過去に持続化補助金を活用した経験がある事業者ほど、「前回と同じだろう」という認識で準備を進めると要件を見落とす可能性があります。

本記事では、第20回公募で押さえておくべき変更点を整理して解説します。

第20回持続化補助金のスケジュール

まずはスケジュールを確認しておきましょう。

公募要領公開:2026年5月27日
申請受付開始:2026年11月5日
様式4発行受付締切:2026年12月4日
申請締切:2026年12月15日17時
採択発表予定:2027年3月頃
補助事業実施期限:2028年3月31日

特に注意したいのは、商工会・商工会議所が発行する「様式4(事業支援計画書)」の受付締切です。

申請締切よりも先に締め切られるため、直前の相談では間に合わない可能性があります。

補助上限額と補助率

補助金額の基本構造は前回と同様です。

通常枠は補助率2/3、補助上限50万円となっています。

さらに、

インボイス特例:上限50万円加算
賃金引上げ特例:上限150万円加算

があり、両方を活用すると最大250万円まで補助を受けることが可能です。

また、賃金引上げ特例を活用する赤字事業者については補助率が3/4に引き上げられ、優先採択の対象となります。

ただし、特例要件を満たせなかった場合は、加算部分だけでなく補助金全体が対象外となる可能性があるため注意が必要です。

最大の変更点は賃金引上げ特例

第20回公募で最も大きな変更点が賃金引上げ特例です。

第19回まで

これまでは、

「事業場内最低賃金を50円以上引き上げること」

が要件でした。

つまり、最も賃金の低い従業員の時給を一定額引き上げることで特例要件を満たすことができました。

第20回から

今回からは、

「従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加させること」

へ変更されています。

対象期間は、補助事業実施期限日を終点とする連続12か月と、その前年同月を含む12か月との比較となります。

これにより、

最低賃金ではなく全従業員ベースで判定
年間を通じた給与総額で評価
長期的な賃上げ実績が必要

という制度へ変わりました。

賃金台帳の提出負担が大幅増加

賃金引上げ特例の変更に伴い、提出書類も大きく変わります。

これまでは比較的短期間の資料で対応できましたが、第20回からは、

申請時に12か月分
実績報告時にも12か月分

の賃金台帳提出が必要となります。

紙で給与管理をしている事業者にとっては相当な事務負担となるため、早めのデータ整理や電子化を検討しておくことをおすすめします。

経費区分も見直し

補助対象経費についても重要な変更があります。

広報費・ウェブサイト関連費は上限30万円

第20回から、

広報費:30万円上限
ウェブサイト関連費:30万円上限

となりました。

一方で、これまで存在していた「ウェブサイト関連費は補助金申請額の1/4まで」という制限は廃止されています。

そのため、使い勝手は改善された部分もあります。

単独申請は禁止

広報費だけ、またはウェブサイト関連費だけでの申請はできなくなりました。

必ず他の補助対象経費と組み合わせる必要があります。

相見積取得基準の引下げ

これまでは100万円超の発注で相見積が必要でしたが、第20回からは50万円超の発注で2社以上の見積書が必要となります。

設備投資や外注費を計画している場合は注意が必要です。

新商品開発費の要件追加

新商品開発費については、

テストマーケティング
市場調査

を実施していること、または実施予定であることが求められるようになりました。

単なる商品開発では対象外となる可能性があります。

審査の観点も変化

第20回では審査基準も実質的に強化されています。

新たに、

「事業効果報告時点で売上高または売上総利益の増加が見込まれること」

が要件として追加されました。

つまり、

「ホームページを作りたい」

「チラシを作りたい」

だけでは不十分です。

今後は、

どの市場を狙うのか
どの顧客層を獲得するのか
どれだけ売上が増えるのか

を数字で説明できる計画が求められます。

新たな加点項目も追加

第20回から新設された加点項目として、

健康経営優良法人加点
地域別最低賃金引上げ加点

が追加されました。

既存の、

経営力向上計画加点
事業承継加点
賃金引上げ加点

などと合わせて、自社が利用できる加点制度を確認することが重要です。

再申請のルールも厳格化

過去に持続化補助金を活用した事業者についても変更があります。

これまでは事業効果報告書の提出完了後であれば再申請が可能でした。

しかし第20回からは、

報告書提出完了後さらに1年経過していること

が条件となります。

過去採択事業者は事前確認が必要です。

申請前に確認したいポイント

第20回公募を検討している場合は、以下を確認しておきましょう。

賃金台帳12か月分を整備できるか
売上増加の根拠を説明できるか
GビズIDプライムを取得済みか
商工会・商工会議所へ早めに相談しているか
再申請要件を満たしているか
相見積取得が必要な経費はないか

特に賃金台帳と売上計画の根拠づくりには時間がかかるため、早めの準備が重要です。

まとめ

第20回小規模事業者持続化補助金は、補助上限額や基本構造こそ変わっていませんが、実務面では大きな見直しが行われています。

特に賃金引上げ特例は、最低賃金方式から給与総額方式へ変更され、賃金管理体制の整備が事実上の前提条件となりました。

また、経費区分や審査基準も強化されており、「とりあえず申請する」というスタンスでは採択が難しくなる可能性があります。

申請受付開始までまだ期間はありますが、賃金台帳の整備や事業計画の根拠づくりには相応の時間が必要です。

申請を検討している方は、早めの準備をおすすめします。

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