「「時間がない」の正体とは? 社長が本当に向き合うべき課題と“代替行動”の罠」

GROW UP MAGAZINE

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経営財務
作成日: 2026.06.12 更新日: 2026.06.18

「時間がない」の正体とは? 社長が本当に向き合うべき課題と“代替行動”の罠

「時間さえあれば新しいことに挑戦できる」

「落ち着いたら事業承継を考えよう」

「今は忙しいから、数字の分析は後回し」

経営者の方とお話をしていると、このような言葉を耳にすることがあります。

しかし、本当に時間が足りないのでしょうか。

統計家・YouTuberとしても活躍する佐藤舞氏(サトマイ)の著書『あっという間に人は死ぬから』では、「時間がない」という感覚の本質について興味深い考察が語られています。

本記事では、その内容を経営者の視点から考えてみたいと思います。

「時間がない」の正体は忙しさではない

多くの人は、

「仕事が忙しいから時間がない」

と考えます。

しかし本書では、時間不足の原因を単なる忙しさではなく、

「重要な問題から目をそらすための行動」

にあると指摘しています。

著者はこれを「代替行動」と呼んでいます。

本来向き合うべき課題があるにもかかわらず、

メールを何度も確認する
SNSを眺める
必要以上に会議を増やす
目の前の細かな作業に没頭する

といった行動で時間を埋めてしまうのです。

一見すると忙しく働いているように見えます。

しかし実際には、重要な課題への決断を先送りしているだけかもしれません。

人が向き合いたくない「3つの現実」

本書では、人が無意識に避けようとする現実として次の3つを挙げています。

死

人生には限りがあります。

いつか終わりが来るという事実を私たちは普段あまり意識しません。

しかし、人生が有限だからこそ、本当に大切なことに時間を使う必要があります。

孤独

最終的な決断は自分で行わなければなりません。

誰かが代わりに責任を取ってくれるわけではありません。

責任

選択した結果は自分が引き受けるしかありません。

失敗も成功も、自分自身の判断の結果です。

実は社長業そのもの

この3つを見て気付く方も多いでしょう。

実はこれらは経営者が日々向き合っているテーマそのものです。

例えば、

事業承継は「自分がいなくなった後」を考えること
経営判断は孤独との戦い
借入や投資の意思決定は責任を伴う

経営者は誰よりもこの3つの現実に向き合う立場にあります。

だからこそ、無意識のうちに目をそらしたくなることもあるのかもしれません。

なぜ旅先では時間が長く感じるのか

普段は「あっという間に1年が終わる」と感じるのに、旅行中は時間がゆっくり流れるように感じることがあります。

特に海外一人旅ではその傾向が強くなります。

宿を探す。

移動手段を決める。

体調管理をする。

安全を確保する。

すべてを自分で決断し、その結果を自分で引き受ける必要があります。

つまり、

孤独
責任
不確実性

と常に向き合う環境になります。

そのため、スマートフォンを眺めたり、無意味な時間つぶしをしたりする余裕がなくなります。

結果として、一日一日が濃く感じられ、時間が長く感じられるのです。

経営現場に潜む「代替行動」

経営の現場でも代替行動は数多く存在します。

例えば、

事業承継を後回しにする

後継者問題は重いテーマです。

考えること自体にストレスを感じるため、目の前の仕事に逃げ込んでしまうことがあります。

値上げ交渉を避ける

利益改善のためには価格改定が必要だと分かっていても、取引先との交渉を避けるために先送りしてしまうケースがあります。

数字を見ない

月次試算表を見るのが怖い。

資金繰り表を作りたくない。

だから目の前の業務で忙しくしてしまう。

こうした行動はすべて「忙しさ」に見えますが、実際には重要な課題から目をそらすための代替行動かもしれません。

社長が今すぐできる3つのこと

本書は時短術の本ではありません。

時間を増やす方法ではなく、本当に大切なことへ時間を使う方法を教えてくれます。

まずは次の3つを試してみてはいかがでしょうか。

1.避けている問題を書き出す

事業承継、人材採用、資金繰り、価格改定など、

「考えたくないけれど重要なこと」

を紙に書き出してみましょう。

2.やらないことを決める

経営計画と同じように、

「何をやるか」

だけでなく、

「何をやらないか」

を明確にすることが重要です。

3.時間の使い方を記録する

会社のお金を管理するように、自分の時間も管理してみましょう。

どこに時間を使っているのかを可視化するだけでも、多くの発見があります。

経営も人生も「見える化」が大切

企業経営では、

月次試算表
資金繰り表
経営計画

などを活用して現状を見える化します。

時間も同じです。

何に時間を使っているかを把握しなければ改善できません。

生産性向上によって空いた時間も、向き合うべき課題が整理されていなければ、再び代替行動に吸い込まれてしまいます。

重要なのは時間の量ではなく、

「自分で決めて、自分で責任を持って使う時間の割合」

を増やすことなのかもしれません。

まとめ

「時間がない」と感じる原因は、本当に仕事量が多いからではなく、重要な問題から目をそらすための代替行動にある場合があります。

経営者にとって、

事業承継
人材の問題
財務の問題
値上げの決断

などは避けて通れないテーマです。

だからこそ、忙しさの中に隠れている「本当に向き合うべき課題」を見つけることが大切です。

数字を毎月確認するように、自分の時間の使い方も定期的に振り返る。

それが、経営にも人生にも共通する改善の第一歩ではないでしょうか。

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